歯の基礎知識

 

虫歯や歯周病など「これだけは知っておきたい」という歯の基礎知識を私たちプロの立場からご説明させていただきます。

 
虫歯虫歯について

 

● どうして虫歯になるの?

口の中にはたくさんの細菌がすんでいます。その中の一つ「ミュータンス菌」が主な虫歯の原因菌です。ミュータンス菌は口の中の虫歯菌が食べ物の中の砂糖を栄養に、表面にネバネバした物質をつくります。そのネバネバした物質の中に虫歯菌や他の細菌が住みつき、どんどん増えていきます。これが歯垢(プラーク)といわれるものです。歯垢(プラーク)の中の虫歯菌は食べ物の中の「糖質}を材料に酸をつくり、次第にエナメル質を溶かし始めます。これが虫歯です。

● 虫歯の特徴

歯が硬くて丈夫なのは、一番外側のエナメル質だけです。エナメル質はなかなか穴が開かず、時間をかけても、小さな穴しか開きません。しかし、ひとたび中のやわらかい象牙質に虫歯がたどりついてしまうと、短期間で大きな穴が生じてしまいます。そのため、治療させていただく際には、想像以上にエナメル質を除去し、大きく削らないと、悪い所を全部取り切れません。 これを防ぐためには「小さな穴でも、痛くないからと放置せず、早めの処置」を心がけてください。

● 虫歯になりやすい箇所

噛み合わせの面・歯と歯ぐきの境目・歯と歯が接している面は虫歯になりやすいので、注意しながら歯みがきをしましょう。

● 虫歯を予防するには、規則正しい生活をしましょう

毎日の歯みがきはもちろんのこと、カルシウムをとり、甘いものを減らして強い歯にしていきましょう。

 

歯周病について

● 歯周病とは

歯周病は、歯の歯肉に近い部分に付いた歯垢(プラーク)の中にいる最近によって引き起こさせる病気です。歯と歯茎の境目についた歯垢から、歯の根にそって歯周病菌が入り込み、歯を支えている周りの組織をじわじわと壊していきます。

● 歯を失う最大の原因

統計によると、35歳で80%以上の人が歯周病になっています。しかし、35歳になってから突然歯周病になるわけではありません。実は10代から少しずつ進行していき、20数年の歳月をかけて、歯肉をジワジワとゆっくり冒し、歯ぐきから血が出るという自覚症状がでる30代の頃には、もはや歯肉炎・歯周病になっています。虫歯と違ってほとんど傷みがない為、気がついた時には抜くはめに・・・なんてこともありえるこわい病気です。

● 痛みがなくても次の症状に注意しましょう。
 1)出血
 2)歯ぐきが赤くなり、腫れている
 3)歯が動く

悪化すると・・・

歯周病の進行段階は、大きく分けて「歯肉炎→軽度歯肉炎→中等度歯周炎→重度歯周炎」という四段階に分けられます。ほとんどの人は(歯肉から血が出る)といった自覚症状を感じてからはじめて歯科医の診察を受けに行きますが、このような症状があるときは、かなり悪化した状態です。歯周病が悪化するまでほうっておくと、歯を抜くことになり多くの障害が出てきます。

● 日頃のケアで撃退しましょう

○ 毎日のブラッシング

毎日きちんとブラッシングして丁寧に歯垢を取り除くことが大切です。ただし、「磨いている」と「磨けている」は異なりますので、歯科医にしっかりとしたブラッシング方法を学びましょう。

○ 定期検診

歯垢を放っておくと、石のように固い歯石になります。こうなるともう日常のブシングでは取れません。少なくとも半年に一回は定期検診に行き、歯垢除去と歯の健康チェックをしてもらいましょう。

○ 早めの検診

歯周病は、初期のうちなら完治することができますし、かなり悪化しても、現在は治療法の進歩で、適切な治療とセルフケアをきちんとすれば、抜かなくてすむケースが多くなってきました。少しでも自覚症状があったら、痛みがなくても積極的に診察を受けましょう。

 
正しいブラッシングで虫歯予防

 

ブラッシングの目的は〈歯垢〉を取り除くこと
虫歯や歯槽膿漏、歯肉炎を引き起こす原因菌は歯垢(プラーク)にあります。
歯垢は細菌のかたまりです。この歯垢を毎日の正しいブラッシングによって取り除いておかないと、健康な歯を維持することはできません。虫歯が原因で頭痛、肩こり、内臓疾患などをひきおこしたりすることもあります。また集中力の低下にもつながり、仕事や勉強の能率もさがってしまいます。
毎日をより快適に過ごし、食べ物をおいしく食べるためにも、正しいブラッシングはとても大切です。

 

● 歯ブラシの選び方のポイント

大きさ

大きい歯ブラシでは口の中で動きがとれません。歯の奥までとどくような、小さめの歯ブラシを選びます。使う人の上の前歯2本分くらいが良いでしょう。

硬さ

やや硬めで毛先に弾力性のあるものがおすすめですが、歯肉炎などの症状のある方は、少し軟らかめのものを使用し、回復してきたら少しずつ硬めのものにしてみましょう。

歯ブラシの取り替え時期

歯ブラシを背のほうから見て毛先が柄からはみ出してきたら、取り替えの時期です。目安としては、月に1本位です。

歯みがき剤

歯みがき剤を使用すると、ブラッシングが短時間になりがちです。最初は歯みがき剤なしでゆっくりと時間をかけてブラッシング、その後で歯みがき剤を使用するのがよいでしょう。量は『毛先にほんの少しだけ』でよいのです。

● ブラッシングの基本

小さめの歯ブラシで1本1本ていねいに、意識してみがきましょう。
1本1本除くことがブラッシングの目的です。鏡を持って目で確かめながらみブラッシングがくとみがき残しが減ります。以下のことに注意しましょう。

○ 力を入れすぎない(ゴシゴシではなくサラサラと)
○ みがく場所によってブラシの持ち方を工夫する
○ みがく順序を決める(みがきにくい場所からみがく)

● ブラッシングの補助器具

ブラッシングで取りきることのできなかった歯垢や食ベカスを取り除く補助器具です。

歯間ブラシ

細い針金の周囲にブラシをつけたようなものです。歯ブラシの毛先が入りにくい歯と歯の間、歯茎の近くをきれいにします。すき間に入れて前後します。かなりの歯垢や食ベカスがとれます。サイズはS.M.Lなどいろいろありますので自分にあったものを選び、入らないところには無理に入れないようにします。

デンタルフロス(糸ようじ)

ナイロンの糸を歯と歯の間にすべらせるようにいれて、歯垢や食ベカスをしごき出します。すき間のせまいタイプの人につかえます。

電動歯ブラシ

ブラシ先端が左右に振動するものや、回転するものなどがあります。便利なものですが、力のコントロールが難しいようで、上手に使いこなさないと歯肉を痛めたりすることがあります。歯肉に炎症のあるときはひかえます。


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